花粉症を食べて改善
花粉症の症状を緩和させると昨今話題になっているのが乳酸菌です。
ひとえに乳酸菌といってもさまざまな種類があるわけで、乳酸菌のどの要素が花粉症に対して効果的なのかも含めて、詳しく見て行きましょう。
花粉症の症状を乳酸菌が抑えるという研究成果が近年多く発表されており、その効能に注目が集まっています。
乳酸菌は摂取すると腸内にとどまり、善玉菌を増やしながら他の病原微生物と拮抗して、崩れた免疫バランスを改善してくれます。つまりこれまでよく知られてきた整腸作用だけではなく、花粉症の原因であるIgE抗体の活動を弱める効能があるとされているのです。
乳酸菌といえばまず思いつくのがヨーグルトですが、実際にはヨーグルトだけでなく、チーズや味噌、糠漬けなどにも乳酸菌は含まれています。
また乳酸菌には数多くの種類があり、なかでも特定の乳酸菌がより多く花粉症に対して強く働くため、ヨーグルトならどれでもOKというわけでもなく、菌種を選んで食べた方が効率的。
さらに摂取に関しては1日に100g以上を毎日、というのが基本です。食べたり食べなかったりでは効果は期待薄になります。なぜならば乳酸菌の摂取量が多いほど効果が高まるからです。生きている乳酸菌が良いとも言われますが、菌が生きているかどうかはさほど問題視されません。なによりも量が第一なのです。
また、摂取時にはなるべく砂糖を入れずに食べましょう。
よく耳にする名前ビフィズス菌(Bifidobacterium)。腸内環境を整える菌で、乳酸菌の一種ゆえに乳酸菌とよく似た働きを持ちます。
ビフィズス菌はヨーグルトに必ず入っている、と思われるふしもありますが、それも誤解。普通のヨーグルトは乳酸菌のサーモフィラス菌(Streptococcus thermophilus)とブルガリア菌(Lactobacillus bulgaricus)で発酵しますが、ビフィズス菌入りヨーグルトにはさらにビフィズス菌も加えて発酵しています。
ビフィズス菌にも多様な種類がありますが、なかでも森永乳業が製造するビフィズス菌BB536は、その臨床実験において花粉症症状の緩和に効果をみせています。
森永乳業によると「花粉症患者44名に、スギ花粉が飛び始める約1ヵ月前から、ビフィズス菌BB536粉末(1000億個/日)またはプラセボ粉末を13週間にわたって摂取してもらったところ、ビフィズス菌BB536摂取群では花粉症の自覚症状が緩和されて症状と関連する血中マーカーも改善」とあります。
フェカリス菌(Enterococcus faecalis)という菌名、聞いたことありませんか?
これもまた乳酸菌の一種。特筆すべきはその大きさです。わずか500ナノメートル=1/2000ミリメートルというビフィズス菌の1/5のサイズしかない超微粒子なので、一度に多くの菌数を摂取することができるという利点があります。
伊藤園によると、「スギ花粉症患者20名にフェカリス菌含有乳性飲料(1本200ml当たりフェカリス菌1,000億個含有)を、毎日1本、2ヵ月間飲用」したところ、「鼻かみ回数、眼のかゆみで、飲用開始前と比較して飲用後で有意な差が認められ、鼻づまり、流涙では、改善する傾向が認められました」とあります。
数ある乳酸菌のなかで、オハヨー乳業が発見した乳酸菌といえばL-55乳酸菌(Lactobacillus acidophilus L-55)です。ブルガリア菌やサーモフィラス菌に比べて腸内付着性に優れ、腸内でとどまりやすいという特性があります。
オハヨー乳業の花粉症モデルマウスを使った実験では、「L-55乳酸菌を花粉症モデルマウスに投与した結果、花粉症の症状である鼻掻き行動及びくしゃみ反応を抑えること、
さらに血清中の抗原特異的IgE抗体価を低下させる効果があること」が立証されています。
カルピス社が発見したL-92乳酸菌(Lactobacillus acidophilus L-92)もまた免疫バランスに働きかけ、花粉症の症状の緩和が期待できます。
カルピス社によると、「室内でスギ花粉を散布された花粉症患者が、一定期間L-92乳酸菌を摂取したところ、症状の有意な緩和が認められました」とあります。
アレルギー対策のサプリメントとして抜群の知名度を誇っており、サプリメントのほかドリンクも製造。
甜茶の成分もプラスした花粉症に特化した商品もあるので、比較検討してみましょう。
KW乳酸菌(Lactobacillus paracasei KW3110)はキリンホールディングスが発見した乳酸菌で、これもまたアレルギー症状に対して効果が見られます。
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