花粉症の症状を今すぐ抑える
食べものや飲みもの、掃除や服装、生活環境など、さまざまな花粉症対策を施していても、くしゃみや鼻水、鼻詰まり、目のかゆみに悩まされてしまうもの。
となれば、医者にかかって薬で症状を抑えるのが最善ということになりますが、医者にかかる前に、花粉症の診断と治療がどのようなものなのか、予習しておきましょう。
これまで毎年決まった時季に花粉症の症状に悩まされているのなら「ん…そろそろかな?」という時季の想定が立つはず。
ならば、「そろそろの時季=花粉飛散時季」の1ヶ月前あたりを目途に、医師にかかりましょう。
早めに投薬などの治療を施しておくことで、本格的な飛散シーズンが来ても発症が遅らせることができたり、緩和できます。
もちろん、飛散時季が始まってしまったのでもう遅い、と諦めるのは早計です。症状が酷くならないうちに、少しでも早く医師にかかりましょう。
「鼻はズルズル、目はカユカユ…花粉症でつらいんです」と病院に駆け込んでみれば、実は花粉症ではなかった、ということも実は結構あったりします。
花粉が原因なのか、花粉だとすればどの花粉なのか、花粉が原因ではないなら、何が原因で症状が起きるのかを自身で把握しとくのは大切なことです。
なぜなら今まで行き当たりばったりに対策していたものを、アレルゲンを特定することでピンポイントに対処できるから。
たとえばスギ花粉症だと思い込んで検査をしてみれば、アレルゲンはハウスダストだったり…ということもよくあるのです。
アレルギーの抗体・アレルゲンを特定する検査には大きく分けて3種あります。
そのうちのひとつが皮膚反応検査です。
皮膚に出血しない程度に微小な傷をつけ、その上に薬液を置き、浸透させて反応をみるプリックテストが一般的に行われています。
プリックテストは簡便でアナフィラキシー(anaphylaxis・急性全身性で重度なアレルギー反応)を起こしにくいメリットがあります。
使用される薬液は花粉、カビの胞子、ハウスダスト、動物のフケ、食物などから作られたエキス。薬液を1滴落した箇所が15~20分後に赤みを帯びて膨れたら、その反応の強さに応じて陽性と判断します。
皮膚反応検査を受ける場合、皮膚でのテスト反応に影響を及ぼすため抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の服用は、受診12時間前からは飲んではいけません。
IgE抗体が血液中に含まれる量を調べることで、アレルゲンをある程度特定することができます。
血中IgE検査は採血するのみで検査できるため、子供や症状の酷い患者でも危険なしにトライできる検査法です。
アレルギー反応の制御を行なう白血球の一種である好酸球(こうさんきゅう、Eosinophil granulocyte)の数や、特定のアレルゲンとだけ結合するIgE型の抗体量などを試験管内で調べます。
皮膚反応検査のように検査前に抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の服用を制限されたりはしないのも、患者側にとってメリットです。
3つめの鼻粘膜誘発試験とは、問診などで判明した原因と思われるアレルゲンのエキスを浸み込ませて乾燥させた濾紙を用います。
濾紙を鼻腔に差し込み、粘膜に接触させ、その反応を見ます。
接触後5分して、くしゃみ、鼻水の増加、鼻粘膜の腫脹の3点のうち2点以上の反応があれば陽性とされるテストです。
目粘膜誘発試験も同様で、片方の目にアレルゲンのエキスを点眼し、5分後の状況を見ます。目の痒み、充血、腫脹が認められれば陽性です。
鼻粘膜誘発試験は少量とはいえアレルゲンを体内に取り込むため、アナフィラキシーショックが起こることもあります。