花粉症には「熱」と「寒」の2タイプが~花粉症向け漢方薬の選びかた

マスクをする男性

花粉症に漢方薬治療が有効であることを理解したうえで、次はどの薬を使えばいいのかを押さえましょう。

西洋医薬と同じく、やみくもにどの薬でもよいというわけではありません。それぞれの症状に合わせて薬を使い分けます。


対策81:「熱タイプ」と「寒タイプ」

漢方では花粉症の症状は大きくふたつのタイプに分類されます。そのタイプ別で治療に用いられる薬の種類が異なります。


熱を持つ電球

まずは熱タイプ
花粉症の症状として、
粘りのある鼻水が出る、
鼻詰まりがひどい、
目が充血したりかゆみがある、
身体が熱っぽい、
喉が痛い、
気温が上がったり身体が暑くなると症状が悪化する
などが挙げられます。


氷とライム

もうひとつのタイプは寒タイプです。
花粉症の症状として、
水っぽい鼻水が止まらない、
くしゃみが出る、
涙がたくさん出る、
寝起きなど身体が冷えるとくしゃみが出る

などが挙げられます。

熱タイプと寒タイプのどちらにも当てはまる症状がある、という場合は、入浴すると症状が悪化するか治まるかで判断してください。
入浴で身体が温まると症状が悪化する場合は熱タイプ、緩和する場合は寒タイプになります。


対策82:熱タイプの花粉症の漢方薬

熱タイプの花粉症で用いる漢方薬をいくつか紹介します。
まずは鼻詰まりが酷い人向けの、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)。
これは9種の生薬を合わせたもので、主薬の「辛夷」をはじめ「枇杷葉」や「升麻」が鼻の通りを良くしてくれます。また「石膏」や「黄ごん」が炎症を抑えて熱を引かせます。
副作用として食欲不振や咳、息切れ、皮膚や白目が黄色くなるなどがありますので、異変を感じた時は医師に相談して服用を中止します。また、長期にわたる服用では慢性的な腹痛、下痢、便秘などが起こることもあります。


五虎湯
▲五虎湯(画像引用:
クラシエホールディングス株式会社)

喉が痛む場合は五虎湯(ごことう)を。気管支を拡げて咳を抑え、呼吸を楽にしてくれます。主薬の「麻黄」が気管支を拡張し、「石膏」が腫れを沈めます。
身体が酷く弱っていたり、胃腸が弱い人は服用できません。同じく高血圧や心臓病、脳卒中既往など、循環器系の病気がある人も服用は避けましょう。
副作用として甘草を含む他の漢方薬と一緒に飲むと偽アルドステロン症(むくみ・血圧上昇)が起こることがあります。ほかに手足のしびれ、ふるえ、動悸、息切れにも注意です。


また熱っぽさを緩和するのによく使われるのが銀翹散(ぎんぎょうさん)。喉の痛みや腫れ、咳、目のかゆみを取る効能もあります。これも五虎湯と同じ禁忌や副作用に注意します。


オススメの熱タイプ向け漢方薬


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花粉症向け漢方薬の
選びかた2

症状のタイプに応じて使い分ける


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