薬の飲み方間違えていませんか?~花粉症の薬の注意点をチェック2

しっかりインペアード・パフォーマンスを把握して医師に処方してもらった薬であっても、間違った飲み方や使用法をしてしまっては元も子もありません。

薬
▲ただ飲めばいいという
わけではありません…

「正しい薬の服用・使用法」を守ってこそ、最大限の薬効を期待することができます。当たり前のことから、意外と盲点だったりすることまで、ずらっとまとめてみました。
花粉症対策だけでなく、さまざまな病気のときに使用する薬についても応用が効きますので、いま一度確認して覚えておきましょう。


対策75:内服薬の注意事項とおくすり手帳

内服薬を飲む際にお茶やジュース、牛乳などで飲んだりしていませんか? 薬を飲む際は、水かぬるま湯で。お茶などで服用した場合、成分が薬の吸収に影響を及ぼすことがあります。

たとえばお茶やコーヒーに含まれるカフェイン、ジュースに含まれる酸は薬効を阻害したり、無効化するおそれがあります。牛乳は薬剤の吸収を抑えてしまうことも。
ましてビールなどのアルコールで薬を飲むのはご法度です。薬を変質させ、予期せぬ作用が起きたりします。


薬を服用する時間も、指示された時間を守りましょう。飲み忘れた場合はその場で飲みますが、次の服用時間まで時間がない場合は、飲むのは控えます。


また、花粉症以外の薬を併用する場合も、きちんと医師や薬剤師に相談を。ただの風邪薬だからと自己判断で服用した結果、成分の二重摂取になり、強い睡魔に襲われたり、意識が朦朧としたりすることも。他にも思わぬ作用を起こすことも考えられます。

医師や薬剤師に相談する場合は、初診時に調剤薬局で配布されるおくすり手帳を必ず持参しましょう。自分がどんな薬を飲んでいるのかをきっちり把握するためだけではなく、ただでさえ素人には覚えにくくややこしい薬の名前と処方量を、欠けることなく間違いなく説明するためになくてはならないものです。
毎処方時に配布される処方薬の一覧と量を記したシールは、必ずおくすり手帳に貼付しておきましょう。

おくすり手帳
▲おくすり手帳は複数持たず
1冊にまとめましょう…
(画像引用:株式会社第一薬局)

おくすり手帳に貼るシールはもちろん有料なので、シールを断ればわずかに薬代の節約になることも確かではあります。
しかし他の病院や医院で処方された薬を、自分のかかりつけの病院や医院が把握していることはありません。他の医療機関で処方した薬との飲み合わせによる副作用を事前察知し、過去の薬剤による副作用歴を把握するために医師が現状取り得る方法で、おくすり手帳は一番確実な手段になっています。

さらに旅行や出張先にも手帳を持参することで、初めての医療機関でもスムースに対応してもらえます。


対策76:点眼薬の注意点

目薬を普段から使い慣れているなら問題ありませんが、滅多にささない場合は、どうしても的が外れて零れてしまいがち。
下まぶたを人差し指か中指で軽く下方向へ引っ張ると点眼しやすくなります。

また、敏感な黒目の部分ではなく白目とまぶたの境目あたりを狙って点眼するのもポイントです。

点眼したらすぐ目を閉じます。約1分そのまま目を閉じて、薬剤の浸透を待ちましょう。パチパチと瞬きしてしまいがちですが、これはNG。点眼薬が流れ落ちてしまうためです。


目薬

複数の点眼薬を使用する場合は、最初に点眼してから少なくとも5分経過してから2つ目の点眼薬を使用します。

花粉飛散時季にコンタクトレンズの使用はNGです。花粉によってレンズに傷がつくだけでなく、点眼薬を使用する場合に薬剤がレンズを変質させることがあります。


対策77:点鼻薬の注意点

点鼻薬を使用する場合、鼻水ダラダラの状態では薬剤が浸透しません。使用前に必ず鼻をかんで鼻水を除去しておきましょう。

また鼻づまりも同様です。片方の鼻が詰まっている場合は、まず詰まっていない方の穴に点鼻し、詰まっている方は詰まりがとれてからにします。


対策78:薬の取り扱いの注意

去年処方してもらった薬が余っているので、それを先に使ってから新しい薬を使おう…
確かにもったいない気はしますが、これは絶対やってはいけません。まして目薬のような液体のもので、一度開封してから時間が経った物は危険。開封後1カ月~3カ月が使用する限度で、それ以降は腐敗したりするおそれがあります。


また「よく効くから」と家族や他人が持っている薬を分けてもらうというのも言語道断です。その患者と同じ薬効があるかどうかは医師が判断するものであり、素人判断で貰い受けて使うと思わぬ副作用で苦しむはめになることも。


薬を飲む女性
▲薬は正しく服用を…

服用・使用する量も指示された回数と頻度を守りましょう。
1度じゃ効かないから2度も3度も点眼・点鼻するといった行為も過剰摂取となり、副作用の心配があります。
薬の効きにくさを感じたら、自己判断で量や回数を増やすのではなく、必ず医師に相談しましょう。

逆に「症状が治まったから」と勝手に投薬をやめてしまうことも往々にしてありますが、これも良くありません。花粉症は天候によっても調子が良かったり悪かったりするものです。昨日は調子が悪いから服用したけれど、今日は調子がいいから飲まない、という自己判断もNG。
あくまでも医師の指示通りに服用や使用を続けて、症状を完全に抑え込むことが肝要です。花粉飛散量が減る時季になったら、医師と相談して減薬や服用の中止を決定しましょう。


なお、妊娠中の女性については花粉症の薬が胎児に影響を及ぼす恐れがありますので、妊娠4カ月くらいまでは極力薬に頼らないようにし、どうしても頼らざるを得ない場合は、医師に相談の上でメディエーター遊離抑制薬などを最低限度投薬しましょう。


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