花粉症とレンコン・青魚・トマト・バナナ

花粉症の症状を緩和するとされているものはいくつかありますが、そのなかでもレンコン・青魚・トマト・バナナについてその特性を知っておきましょう。

鯵
▲入手しやすい青魚の代表格アジ…

どれも身近な食べ物なだけに摂取しやすいのかと思えば、モノによっては意外とそうでなかったりもするのです。


対策37:花粉症にレンコン?

レンコンが花粉症にいいらしい、とTVなどで話題になって久しいですが、さてさて実際にレンコンが花粉症に対してどのような効果をあげているのでしょうか。

それは何と言っても花粉症を引き起こすIgE抗体を抑える働きがあり、その強さが野菜類の中で顕著な高さを持っていることが挙げられます。

レンコン
▲レンコンのネバネバに効果が…

アレルギーを引き起こすIgE抗体を抑えてくれるレンコンの成分には、主に次の3つがあります。
ひとつめはムチン (mucin)。 レンコンが持つあのネバネバがムチンです。抗炎症作用とともに身体の粘膜を増強し保護する働きと、タンパク質の吸収を促進する働きがあります。

ふたつめはポリフェノール。タンニンという成分が含まれています。タンニンは免疫作用や抗酸化作用があります。ただタンニンの過剰摂取は胃を荒らしますので注意が必要です。

みっつめは食物繊維が豊富なこと。腸の働きを整えてくれます。



レンコン
▲レンコンは皮つきで…

普段の料理においてレンコンを摂取する場合に注意したいことは皮を剥かないこと。ポリフェノールは皮に多く含まれています。皮つきのままで調理しても、さほど舌触りは変わりません。皮剥きの手間も省けますので、ぜひ皮つきのままで食べましょう。
1日に20~30gを目安に毎日3カ月以上食べ続けることがポイントです。


とはいえ、毎日レンコン料理を食べるというのも、正直飽きがきますし、料理のレパートリーも限られます。

そこで普段のレンコン料理だけでなく、花粉症に効果がある乳酸菌とレンコンを組み合わせた加工品や、レンコン粉末を取り入れて組み合わせながら毎日摂るようにします。レンコン粉末は味噌汁に入れたりして摂取を。


また花粉が飛散する時期には、すりおろしたレンコンをガーゼに包んで絞った汁を鼻の中に直接綿棒などで塗るのも効果的です。塗布頻度は1日3回を目安にし、絞り汁は冷蔵庫で保存して1週間以内に使い切りましょう。


オススメのレンコン


対策38:青魚のEPA・DHAも有効

サバやイワシ、アジなどの青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸、eicosapentaenoic acid)やDHA(ドコサヘキサエン酸、Docosahexaenoic acid)。
血液中の脂質濃度を下げ、いわゆる血液サラサラな状態にしてくれたり、脳の細胞膜を柔らかくして活性化してくれたりします。

動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、メタボリックシンドローム対策に有効とされていますが、これが花粉症にも効果を示してくれるのです。


サバ
▲EPAやDHAたっぷりのサバ…

EPAやDHAは、鼻詰まりを起こすロイコトリエンの発生を抑止することが判っています。

健康維持などを目的として定められた厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」において、EPA・DHAは1日1g以上の量を摂取することが望ましいとされていますので、毎日の献立に青魚を積極的に取り入れましょう。
しかし1gのEPA・DHAを摂るためには、マイワシなら40g以上。マアジなら150g以上の刺身を食べねばなりません。マグロの赤身であれば680g以上となり、ちょっと現実的な数字ではなくなってしまいます。

普段から積極的に青魚を食べつつも、サプリメントを上手く使うなどの工夫をして摂取するのが良さそうです。


オススメのEPA・DHA


対策39:トマトが良いってホント?

トマトが花粉症に効くという研究成果があります。
トマトの皮に含まれるポリフェノールの一種であるナリンゲニンカルコン(naringenin chalcone)には、抗アレルギー作用があるのです

トマト
▲普通のトマトは花粉症には効果ナシ…

しかし生食用のトマトにはこの成分が含まれていないため、トマトの実を幾ら食べても意味はありません。またナリンゲニンカルコンが含有されている加工用トマトも、トマトジュースやケチャップに加工される過程で皮を除去してしまうため、ジュースを飲んでも同様に効果は期待できないのです。

ナリンゲニンカルコンに特化したサプリメントの登場に期待したいところで、現状の花粉症対策としてトマトを使うことは有効とは言えません。


対策40:バナナも効果があるらしい

そしてさらにバナナにも花粉症の症状を抑える効能があるとの研究成果もあります。

軽度~中度の症状を持つ花粉症患者に対して、2月上旬~3月下旬の8週間にかけて、バナナを朝に1本100g、夕方にも1本の計2本を毎日食べさせたところ、ある一定の効果が認められました。

バナナ
▲1日2本のバナナで花粉症知らずに…?

2013年の第11回日本機能性食品医用学会で報告されたところによると、上記条件において何割かの患者にアレルギー症状の改善があり、マウスでの検証においてもアレルギー反応の制御を行なう好酸球(こうさんきゅう、Eosinophil granulocyte)の増加が抑えられています。

全ての患者に効果があるという結果ではありませんでしたが、低年齢層で、男性で、軽度の患者にはより高い効果を示しているので、該当するならば試してみる価値はあるでしょう。


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