花粉症を食べて改善
花粉症の症状を緩和するとされているものはいくつかありますが、そのなかでもシジュウムとハトムギについてその特性を知っておきましょう。
ハトムギは麦茶でおなじみですが、シジュウムって何?って人も多いかもしれません。まずはシジュウムの正体から見て行きます。
ちょっと聞き慣れないシジュウムとは、いわばグアバ(Guava)のこと。フトモモ科バンジロウ属(Psidium)に属する熱帯性の低木で、日本では沖縄でよく見られます。果実を食用としますが、花粉症対策には葉を煎じた茶を用います。
ただ、グアバと言ってもその種類は非常に多く、全てのグアバに対して花粉症を対象とした臨床実験が行われたわけではありません。ですので、花粉症対策に特化して「シジュウム」と明記された茶葉を選ぶのが良いでしょう。
なぜ花粉症にシジュウムなのかというと、花粉症を引き起こす厄介なシロモノをいくつも抑え込んでくれる働きがあるから。
まずは前項までに何度も出てきたヒスタミン。これの遊離を抑止してくれます。
また、鼻詰まりを起こす成分であるロイコトリエンを抑制し、炎症も抑える働きをしてくれるのです。
ひとつだけでなく、複数の効果が期待できるのがシジュウムの特長です。
シジュウム茶は熱湯で煮出して飲用しますが、効果を期待して濃く煎じるのではなく、最初はやや薄めに煮出しましょう。慣れてきたら段々と濃い目に移行するのがベター。
1回につき200mlを1日に3回~5回飲み続けますが、毎日延々と飲むのではなく、しばらく飲み続けたらその後は3日おきに飲む、1週間ほど飲まない、などの緩急をつけることも覚えておきましょう。飲み続けることで身体がシジュウムの作用に慣れ、効能が薄くなってしまうことを防ぐためです。
シジュウムは茶類の中でも最もタンニン(tannin) というポリフェノールを多く含みます。茶やワインの渋みの正体、それがタンニンです。ポリフェノールは免疫作用や抗酸化作用があるものが多いのですが、タンニンの過剰な摂取は胃を荒らす要因になってしまいます。
効果を期待するあまりがぶ飲みし続けて胃を痛めては元も子もありませんので、摂取量に注意しましょう。
また、シジュウムには血管を拡張する作用があります。低血圧の人はさらに血圧を下げてしまう恐れがありますので、注意が必要です。心臓に疾患がある人も要注意。
さらに妊娠中の女性はシジュウムを飲んではいけません。流産を招く重大な恐れがあります。
ハトムギ(ma-yuen)はその名のとおり、麦の一種。しかしながら植物学的には大麦や小麦と同じイネ科でありながらジュズダマ属に属し、トウモロコシに近い生態を持っています。
皮を剥いた種子をヨクイニンと呼び、煮出したハトムギ茶は薬用に用いられます。
麦茶とよく似た味わいなので飲みやすく、カフェインフリー。しかも蛋白質や鉄分、カルシウム、カリウム、ビタミンB1と栄養素豊富です。
ハトムギ茶はデトックス効果や美肌効果がよく知られていますが、ヒスタミンの遊離を抑える効果もあります。
また、TNF-α(Tumor Necrosis Factor-α)という炎症を起こす物質の発生を抑制してくれます。
ただしこれもまた妊娠中の女性は飲むべきではありません。身体を冷やす効果があるので冷え症の人にも向かないと言えましょう。
画像引用:山本漢方製薬株式会社様